脳転移に対する定位放射線治療後の脳壊死について|熊本市中央区の放射線外科

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2017.11.24

脳転移に対する定位放射線治療後の脳壊死について

転移性脳腫瘍に対する定位放射線治療(ピンポイント照射)では,治療終了後,数カ月〜数年後に放射線性脳壊死という副作用を起こす可能性があります.部位に応じた症状がでるため,場合によっては,がんは根治したものの,麻痺などによって日常生活に大きな支障を来すこともあります.

転移性脳腫瘍に対して,放射線治療が 1 回で行われた定位(ピンポイント)照射の過去の論文では,治療を受けてから 2 年間の内に,腫瘍の大きさが 10 mm 以下では 16 % ,11 mm 以上では 49.4 % の割合で脳壊死を生じるとの報告もあります.

国内での学会・研究会での報告ではここまで高い割合ではない印象ですが,いずれにしても,副作用の出現は無いほうが良いことは間違えありません.

正常組織は,1 回にあたる放射線量が少なければ少ないほど,受ける影響が少ないと言われています.放射線治療が 1 回で終われば,より早い日常生活への復帰が可能ですが,われわれの病院では,患者さんの将来の生活のために放射線脳壊死のリスクを少しでも減らす目的で,1 回高エネルギーで治療を終わらせるのではなく,放射線のエネルギーを下げて,回数を 2 回から 13 回程度までに分割した『分割定位放射線治療』を行なっています.

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