少数の遠隔転移に対する放射線治療|熊本市中央区の放射線外科

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2018.09.03

がん少数転移(1−3個)に対する治療の選択肢

厳密な定義はありませんが、oligometastases(オリゴメタ)、という概念があります。少数(1-3個)の遠隔転移という意味合いです。手術にてがんを取り除き、もしくは抗がん剤治療で制御され、その後、様子を見ていると、1-3箇所のみにリンパ節転移や肺転移、骨転移、肝転移などの遠隔転移が出現したような状況をいいます。ここ数年、オリゴメタに対し、決して標準治療ではありませんがピンポイントの放射線治療が行われるようになってきました。

 

通常、遠隔転移が出現した場合は抗がん剤治療となります。これは少数転移であっても遠隔転移している以上、がん細胞が全身を回っていると考えるからです。そのため、わずか1個の1-2cmのリンパ節転移であっても、抗がん剤の全身投与が必要となります。ただ転移の場所や原発が大腸がんなどであれば遠隔転移を手術で切除することもあります。

しかし、抗がん剤治療による副作用や体力に不安があったりして抗がん剤治療や手術が受けれない患者さんもいると思います。

そのような状況の時には、当院ではがんの転移病変に対してピンポイントの放射線治療を施行いたします。場所や大きさによりますが、放射線治療は1日1回 15-20分程度、これを連日(休祝日を除く平日のみ、5回/週)、10-30回施行いたします。治療中は痛みや熱感もありませんので、体力に自身のない方でも外来通院で問題なく治療を受けていただけます。

しっかりした放射線量を用いることができれば、当院ではその効果は手術に匹敵すると考えておりますし、抗がん剤治療のような吐気や食欲低下といった副作用を起こすこともそれほどありません。

 

ただ上述したように遠隔転移の場合はがん細胞が全身を回っていると考えられており、放射線治療を行ってもその他の部位に新たな転移が出現する可能性があります。これが抗がん剤治療が遠隔転移の際の標準治療であり勧められる理由で、当院でも可能ならば抗がん剤治療をお勧めいたします。

それでも副作用や体力的な理由などで抗癌剤治療を受けることができない場合、そして、ピンポイントの放射線治療での副作用が少ないと考えられる場合は、たとえ標準治療でないとしても小数個の転移に対してピンポイントの放射線治療を施行する価値はあるのではないでしょうか。

 

*当院ではがん治療の経験豊富な放射線治療専門医が診療に従事しており、ご自身やご家族の治療方針・方法に関しての相談があればお受けいたします。その際はお電話にてご予約お願いいたします。

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